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ペットパークをご利用されるブリーダー様・ペットショップ様へ

なぜ、遺伝子病検査を推奨するのか

 遺伝子病検査に対して、ペットパークをご利用されるブリーダー様から 「必要があるのか」「意味があるのか」「愛護精神に逆行しているのではないか」など 様々なご意見をいただいています。
改めて、ペットパークが遺伝子病検査を推奨する主旨についてご説明いたします。

 ペットパーク会場にて、ブリーダーの皆様が出荷した生体を落札しているのは大半がペットショップです。 近年、そのペットショップが厳しい環境下に置かれていることをご存知でしょうか?
 動愛法の規制強化だけではなく、インターネットの普及によりペット生体情報の紹介サイトが急増し 直接ブリーダーから生体を購入する一般飼育者が多くなっていますし、 愛護活動家たちにより、「ペットショップで犬や猫は買わないことを推奨している」ことが 徐々に世の中に浸透してきています。このような影響から以前、 環境省が公開した「家庭飼育動物(犬・猫)の飼育者意識調査」によると、 ペットショップからの入手割合は、犬が48.0%、猫については僅か12.3%しかございません。

 遺伝子検査技術の向上により、遺伝子検査がスピーディーかつ安価に出来るようになったことから、 人の遺伝子検査については、メジャーリーガーを起用したテレビCMが頻繁に放送されたり 雑誌や情報サイトで特集される機会が多くなりました。
 このような背景から、「命」を生産・販売しているペット生体業界については、 「遺伝子病検査」と「交配組合せ」で未然に防ぐことが出来る「遺伝子病」の対策を 早急にすべきであるとの声があがるようになりました。 特にペット生体を販売するペットショップに対しては 「しっかりと仕入れ先(ブリーダー)を指導し社会的責任を持つべきである」と SNSで発信される一般飼育者などが多くなりマスコミでも取り上げられるようになりました。
 ペット生体業界に対する否定的な意見は、入手割合に関わらず「 顔の見える(一般飼育者と接点を持つ)ペットショップ」が槍玉に挙げられることが多いのです。

 法律は「社会問題」や「国民の声」で改正されます。 ペットショップが未然に防げる病気すら放置しているとなると、 社会からの不信感は高まり、更なる規制強化に繋がるかもしれません。 最悪の場合、米国のカリフォルニア州と同じようにペットショップで犬猫の販売が禁止になるかもしれません。 これらの状況をいち早く察知したペットショップは仕入れた生体の遺伝子検査を実施するようになっています。 今後、大半のペットショップが実施することになると思われます。

 ブリーダーの皆様、もう一度考えてみてください。

 ペットショップが仕入れた生体の遺伝子病検査で「アフェクテッド(発症する可能性あり)」と判定されたら、 今後、そのブリーダーからの生体落札は敬遠されるかもしれません。 ペット生体業界の川上である(「命」を産み出す現場/ブリーダー)のところで、 遺伝子病の対策がなされていなければ、犬猫の販売禁止になるかもしれません。

 遺伝子病検査は、ブリーダーの皆様にとって、身近で重要な問題なのです。

 現段階において、判明している全ての遺伝子病検査を実施する必要はなく、 「命にかかわる遺伝子病」(*1)「飼育が困難になる遺伝子病」(*2)また種オスからなど一歩一歩のスタートで構いません。 自分達の生活のため、ペット生体業界の発展のため、そして後継者達のために遺伝子病検査に取組んでいきましょう。

 当ペットパークはブリーダーとペットショップの架け橋であり続けたいと願っており、 ブリーダーばかりに負担を掛けるつもりはございません。 ブリーダーが困るような事案が発生した場合には、ペットショップへの協力を求めますのでご理解ください。
 万が一、遺伝子病検査で「アフェクテッド」の繁殖犬(繁殖猫)が確認されたら、ご相談ください。 交配組合せのアドバイスや種オス(クリア)のご紹介などのご支援をさせていただきます。

最後に猫の繁殖をしているブリーダーの皆様へ

 犬の飼育頭数(約890万頭)よりも猫の飼育頭数(約965万頭)のほうが多いのに、先に記述した猫のペットショップからの入手割合が12.3%しかないのは、犬と比べ、猫の大半は、「友人・知人からもらった」「愛護団体からの譲渡」「保健所からの譲渡」が圧倒的に多いのです。
 もしかしたら、一般飼育者が求める猫のニーズは犬ほど品種や血統に対しての拘りがないのかもしれません。そのようなニーズの中で、皆様が生産した猫を販売しているペットショップのためにも猫の遺伝子病検査にご協力ください。
(*1)命にかかわる遺伝子病(代表例)
 〇 CL(神経セロイドリポフスチン症)
   ボーダー・コリー、ラフ・コリー他
 〇 DM(変性性脊髄症)
   T・プードル、W・コーギー・ペンブローク、フレンチ・ブルドッグ、パグ、ビーグル
   キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、ジャック・ラッセル・テリア他
 〇 GMIガングリオシドーシス
   柴、豆柴
 〇 PK欠損症(ピルビン酸キナーゼ欠損症)
   アビシニアン、シンガプーラ、ソマリ、ノルウェージャン、マンチカン、ベンガル、
   ブリティッシュ・ショートヘア、ペルシャ(チンチラ以外)他

(*2)飼育が困難になる遺伝子病(代表例)
 〇 PRA(進行性網膜萎縮症)
   T・プードル、ミニチュア・ダックス、カニヘン・ダックス、ミニチュア・シュナウザー他
 〇 PKD(多発性嚢胞腎)
   スコティッシュ・フォールド、アメリカン・ショートヘア、ペルシャ(チンチラ)他

 *その他についてはご相談ください。

関東ペットパーク/B&Bペットパーク 代表 上原 勝三